前項では、基礎体温とは何か、どういったことに活用できるのかについて解説しました。
ここでは具体的な基礎体温の測り方や注意点について解説します。
基礎体温を測る際は、一般的な体温計ではなく、必ず専用の基礎体温計である婦人体温計を使うようにしましょう。
ニ者の違いは、一般の体温計が小数点第一位までしか測れないのに対し、婦人体温計は小数点第二位までの微妙な温度変化を測ることができます。
日々の基礎体温の変化は0.00単位の微妙なもので、最も基礎体温の低い低温期と、高い高温期の温度差ですら0.3℃〜程度です。
よって、小数点第一位までしか測れない体温計ではほとんど意味がありません。
【関連項目】
◆身体のどの部分で測るの?
婦人体温計は、脇の下ではなく舌の下(ベロの根本)に差し込んで測ります。
これは外気に近い脇の体温は実際の体温よりも低めになるためです。体内の温度である基礎体温を正確に計測するため、より体内に近い口の奥で測るわけです。
余談ですが、一般的に直腸(肛門)からの体温計測がもっとも正確と言われています。
◆いつ、どこで測るの?
基礎体温は、体が必要最小限のエネルギーしか使っていない状態「安静状態」における体温です。よって夜の就寝中が一番なのですが、一般的に寝起き直後の体温を基礎体温として測ります。
朝、目が覚めたらベッドから出ずに、寝起きそのままの状態で婦人体温計を口にくわえて測ります。
◆起床後にトイレに行ったり、二度寝した後に測っても大丈夫?
必ず、"朝一番の目覚めの時"、"ベッドから起き上がる前"に測ってください。二度寝後やわずかな距離歩いた後でも正確な基礎体温は測れなくなります。
◆必ず毎日、同じ時間帯に測らなくてはいけないの?
できるだけ毎日忘れずに測りましょう。その方が基礎体温の変化を正確に知ることができます。
1〜2日測り忘れたら問題だという訳でもありませんが、安易にサボるクセをつけると長続きしませんので、体温計とメモ帳はベッドのすぐ側に常備しておいてしっかりと習慣づけましょう。
測定する時刻については、きちんと寝起き直後に測るのであれば、起床する時間帯が1〜2時間ズレても特に問題ありません。ですが、夜更かしして起床時間が大きくズレたり、睡眠時間が4時間未満と極端に短いような時は、体調の変化・悪化などで体温が正確でないケースがあります。こうした時は計測しないか、もしくはその旨を基礎体温表にメモしておきましょう。後から見直した時に意外な傾向が見つかるかもしれません。
◆計測時間はどのくらい?
特に決まりはありませんので、基礎体温計の説明書の内容に従いましょう。30秒なら30秒、3分なら3分、毎回必ず同じ時間だけ測ることが大事です。
◆そのほか気をつけることは?
寝起き後、なるべく早く測るようにしてください。基礎体温は「安静時」に測ることが鉄則ですが、ベッドの中で動かずにいれば、暫く休んでからでも良いというわけではありません。目が覚めてから時間が経つほどに体や脳が覚醒して基礎体温は上がり始めます。考え事をして感情的になったりするのも脳の働きが活発になるためよくありません。寝起きのまどろんだボーっとした状態で測るのが理想的です。
基礎体温はできるだけ毎朝チェックし、その結果を記入した基礎体温表を作っておきましょう。
基礎体温表とは、毎日の基礎体温を折れ線グラフなどの形で記載して、日々の体温の変化がひと目で分かるようにしたものです。
これにより、正常時の自分の基礎体温値、自分の生理周期(月経周期)などが自然と分かるようになります。
記録を続けてゆけば、過去の数値と比較することで現在の体の状態を客観的に把握することもできます。
基礎体温だけでなく、「体調が良い・悪い」、「生理痛がひどい」、「おりものが多い」など、その日の体調も書き込んでおきましょう。生理不順などの異常が見つかって婦人科を受診することになった場合も、基礎体温表を持参すると医師も正確な診断がしやすくなります。
その場合、生理の異常で医者にかかったことも一緒に記録しておくと良いでしょう。異常が起きた時期の前後で基礎体温にどういった変化があったのか知るのに役立ちます。
基礎体温表は自分の体調管理以外にも、妊娠や避妊を助けるのにも役立つ便利なものです。
表の記入も難しいことは何もなく、日記をつける感覚で手軽に続けることができます。
基礎体温表に決まった形式はありません。ほとんどのものは縦軸が「体温」、横軸が「日付」となった折れ線グラフ式のもので、毎日基礎体温の値に丸印をつけてゆき、備考やメモの欄にその日の体調などの気づいた点を記入します。
表自体は「基礎体温表」で検索すれば、印刷もできるものがインターネットからたくさん無料でダウンロードできます。
花王やTERUMOなどの有名メーカーで提供しているものも多いので、色々探してみて使いやすいもの、デザインがかわいいものなど、気に入ったものを使いましょう。
中には自社の基礎体温計と連動させてパソコンで管理できるものや、スマートフォンから体温データを送信して、後日基礎体温表を印刷できるようなサービスもあります。
毎朝紙に記入するのが面倒という人には、毎日の体温値を自動記憶し、排卵日や生理日を教えてくれる電子女性体温計もありますのでオススメです。