妊娠を希望してもなかなか上手くいかない人のために、妊娠確率を高める方法を紹介します。
基本は排卵日をできる限り正確に予測して、その前後に性行為を行うことです。他にもホルモンバランスの崩れが妊娠を妨げている可能性もあります。こうした要因への対処法も紹介します。
一般的な生理周期(月経周期)は25〜38日ですが、日数には個人差があるほか、日々の体調変化などの影響で数日のズレが生じることもよくあります。
この生理周期が毎回ほぼ一定である場合は、比較的簡単に排卵日を予測できます。
この場合、排卵日は「生理予定日から14日を引いた日」がほぼ該当します。
よって、例えば生理周期が毎回28日の人ならば、28−14=14日目あたりが排卵日になります。
毎朝、寝起きの安静時の体温(基礎体温)をチェックして、その変化をみることで排卵日を知る方法です。
生理周期が毎回まちまちだったり、生理不順や不妊症によってサイクルが大きく乱れて特定できない人などに有効な方法です。
女性の生理周期は、「月経→卵胞期→排卵期→黄体期」の4つの時期に分けられます。このうちの排卵期に、卵巣から卵子が排出される「排卵日」があります。
女性の基礎体温は4つの期間ごとに違いがあります。
具体的には、生理が始まって14日目前後の排卵期直前までは基礎体温が低い「低温期」で、その後28日目までは基礎体温が高い「高温期」になります。
卵子の寿命は一日前後と大変短いため、排卵期の前後5日間程度(排卵の3〜4日前から排卵後の1〜2日)が妊娠しやすい時期です。排卵日から離れるほど妊娠率は低くなりますので、この時期に性行為を行う回数を増やすことで、より妊娠率が高まります。
【関連項目】
排卵日を特定するのに役立つ薬が排卵検査薬です。
その名のとおり、排卵が起こるかどうかをチェックできる薬です。薬といっても飲んで服用するような錠剤タイプではなく、妊娠検査薬のように尿をかけて反応を見る道具です。
排卵検査薬では、排卵の直前に起こる「黄体形成ホルモンの分泌の急上昇」の有無を判別します。
この分泌量のピークから通常24時間以内に排卵が起こります。よって検査の結果が陽性だった日と、その翌日、更に翌々日と性行為を重ねることで、妊娠の確率を大きく高めることができます。
排卵検査薬の種類によって使い方に若干の違いがあるため、商品の説明書の指示に従うことが大前提です。
ここでは一般的な使用の流れを説明します。
まず、排卵検査薬を使い始める時期を決める必要があります。前述した基礎体温法などを利用して事前に自分の生理周期を確認し、おおよその排卵予定日を調べます。
あとは予定日の数日前から毎日検査薬を使用して陽性反応が出るのを待ちます。
生理不順などで予定日がわからない時は、生理周期を調べずに使います。その際は「生理が始まった日の5〜10日後から使い始める」などの指示が説明書にありますので、それに従いましょう。
説明書の指示に従い、正しい使い方をすれば、100%に近い確率で排卵日を特定できます。
2009年の薬事法改正により、薬剤師の常駐する薬局やドラッグストアで購入できるようになりました。購入時は住所・氏名の記入と、薬剤師の説明が必要になります。
通販サイトでも購入できますが、その際は注意書きをしっかりと確認してから購入しましょう。
排卵検査薬の値段は、5〜7回分で3,000円前後が相場です。
特に子宮の病気や障害があるわけでもないのになかなか妊娠できない場合は、心や身体の調子が良くない不健康な状態が妊娠を妨げている可能性があります。
母体の調子が悪いと、以下のような妊娠を妨げる身体の変化が生じる恐れがあります。
女性のからだはとてもデリケートなので、疲れやストレス、外部からの刺激によってすぐにホルモンバランスが崩れます。妊娠を希望する時は、特に普段から体調管理に気をつける必要があります。(参考:生理不順対策)
妊娠を妨げる要因 | 対策 |
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身体の疲れがたまっている | しっかり睡眠・休息をとる |
精神的ストレスがたまっている | 気持ちを前向き・楽観的に切り替えたり、ストレスが過度に蓄積する前に発散する ・散歩など適度な運動をする ・好きな趣味や習い事など好きなことをする ・リフレッシュ効果のあるアロマやハーブティーなどを利用する ・外出を増やして自然の風や音に触れる |
身体を冷やす | 冷房や薄着など身体を冷やす行為に気をつけ、身体を温める生活習慣を取り入れる 参考1:身体を温めて血行促進 参考2:温め効果のある食品 |
不摂生・不規則な生活習慣 | ・暴飲暴食は控える ・過度の飲酒、喫煙をしない ・夜更かししない ・寝る時間や食事の時間を決める |
過度のダイエットや絶食 | ・三食をしっかりとり、栄養バランスの良い食事をする |
間違いなく排卵日に性行為を行ったとしても、必ず妊娠するわけではありません。
妊娠するには、精子が卵子まで無事にたどり着き、更に受精卵がしっかりと子宮内膜にくっつく(着床する)必要があります。
特に問題がないカップルが排卵日に性交を行った場合でも、妊娠する確率は30%程度と言われています。
妊娠の確率を上げるには、日頃から心と身体を健康に保ち、排卵日近辺における性交の回数をできるだけ増やす必要があります。
ここまで解説してきた様々な対策を行っても妊娠できない場合、加齢による卵子の老化、子宮の病気、男性の機能障害などが原因の可能性があります。
そうしたケースでは、病気の治療や不妊治療などが必要となります。
詳しくは「不妊症の原因と対策」で解説しています。