道具を使った避妊法について

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道具(避妊具)を使って妊娠を防ぐ

性行為において妊娠することを防ぐ「避妊」には様々な方法があります。
ここでは主に道具(避妊具)を使った避妊法を紹介します。一般に最も良く用いられる避妊具は「コンドーム」ですが、ほかにも「子宮内避妊用具(IUD)」や「ペッサリー」などの避妊具があります。

【関連項目】

避妊具1「コンドーム」

画像:コンドーム

コンドームとは、主にラテックスやポリウレタンといった、ゴムに似た特性をもつ樹脂を素材とした避妊具です。
これらの素材を極めて薄く加工し、男性器(ペニス)の形を型どったもので、伸縮性にすぐれ数倍にまで伸ばすことができます。
使い方が簡単で価格も安く、避妊効果も高いことから、避妊と言えばコンドームというくらい最も良く使われる避妊具です。


◆使用方法

性交前に男性器にすっぽりかぶせて使用します。
装着は男性器の勃起時に行いましょう。通常時にかぶせると、しっかりと男性器全体を覆うことができずに性交時に外れてしまうことがあります。

◆使用上の注意

しっかりと避妊効果を得るためには、男性器の大きさにあったコンドームを使用しなければなりません。強い摩擦がかかった時に外れてしまったり、射精した精液が漏れ出てしまわないように多少きつめサイズのものが好ましいです。

射精後は男性器が縮んで通常サイズに戻るため、コンドームが外れやすくなります。コンドームが外れないように根本をしっかりと手で抑えた状態で男性器を女性器から引き抜くようにしましょう。

コンドームは性器への刺激を損なわないよう非常に薄く作られているため、耐久性はそれほど高くありせん。性交時にコンドームが破けてしまわないように、丈夫で品質の良い品を使いましょう。
薬局などで購入できるメーカー品がオススメです。ネット通販などで製造元などが不明の格安品を購入すると、使用時に破損する恐れがあります。

装着しやすくしたり、装着時の損傷を防ぐために、コンドームの内側には潤滑油が塗ってあります。必ず開封したばかりの新品を使いましょう。絶対に再利用してはいけません。


◆避妊効果

破損していないコンドームがしっかりと装着された状態で射精すれば、精液がコンドームから外部(膣内)に漏れ出ることはありません。正しく使用すればほぼ100%の避妊効果が得られます。
きちんとしたメーカー品を使い、使用前に破損がないか確認し、性交時に破損したり外れてしまった場合はすぐに性交を中断するように心がけていれば妊娠の心配はほぼありません。

◆その他

コンドームというと通常は男性器に装着するものですが、女性器内に装着するタイプのものもあります。

◆販売サイト



避妊具2「子宮内避妊用具(器具)/IUD」

リング状のIUD
子宮内避妊器具(IUD)の画像

子宮内避妊用具(器具)とは、別名IUDとも呼ばれ、子宮内に挿入し続けることで避妊効果を得る避妊具です。
この器具が膣内にあることで、体の防御反応である異物排除機能が働き、受精卵が子宮内膜に着床するのを妨げることで妊娠を防ぎます。

具体的にはIUDが子宮内にあると、子宮内膜から白血球とプロスタグランジンという物質がたくさん放出されるようになります。これらは精子と受精卵の両方にとって有害なため、受精や着床が防止されます。

器具が銅製のタイプもあり、銅が精子を殺す効果を高めることでより避妊効果が高まります。


◆使用方法

IUDを子宮内部に挿入し、避妊を希望する期間中ずっと内部に留めておきます。
装着と除去は婦人科の医師など専門家でなければ行うことができません。
挿入し続けられる期間は器具の種類によって異なりますが、5〜10年程度と長期間の連続使用が可能です。


◆避妊効果

避妊効果は極めて高く、世界保健機関(WHO)の調査では、12年間通算での避妊失敗率は2.2%、1年あたりでは0.18%です。


◆使用上の注意

副作用として、生理時の経血量が増える「過多月経」、生理時以外の性器からの出血「不正性器出血」、下腹部の痛みなどが起きることがあります。また、まれに生理中にIUDが自然に体外に出てしまうこともあります。

定期検診と数年に一度の器具の取替えが必要になります。

妊娠中や感染流産の直後、子宮筋腫・子宮体がんなどの子宮の病気が疑われる時などは、器具の使用に様々な危険性が伴うため、使用が認められない場合が多いです。


◆その他 価格や種類など

IUDは薬局などでは手に入りません。婦人科などの専門医から処方されるもので、価格の相場は3万円前後です。銅付加のものだと5万円くらいになります。
中には処置費用込みで10万近くかかる医院もあるので、事前に何箇所かリサーチすることをお勧めします。

IUDは世界中で多く使われている避妊具で、中国において特に多く、不妊手術よりも多いほどです。
IUDの種類は、リング状、ループ状、コイル状など様々ですが、日本ではリング状タイプで銅付加のものが最も多く使われています。「避妊リング」と呼ばれることも多いです。

ミレーナについて

ミレーナ
新型子宮内避妊リング「ミレーナ」の画像

IUDに似た避妊具に「新型子宮内避妊リング「ミレーナ」」というものがあります。
子宮内避妊システム(処方せん医薬品)の一種で、日本では2007年から使用されています。
見た目も使い方もほぼ同じものですが、IUDが医療機器であるのに対しミレーナは医薬品であるという違いがあります。

IDUに比べて月経量が減るなどのメリットがあります。価格は5〜15万と、やはり病院によって様々ですが、5年くらいの継続使用が可能なので、長期間ピル(避妊薬)を飲み続けるケースなどと比べるとお得かもしれません。

ミレーナは日本では認可がおりて日が浅い医薬品ですので、信頼できるインターネットのサイトでよく調べたり、近くの産婦人科医院に問い合わせをしてみたほうが良いでしょう。


避妊具3「ペッサリー」

ペッサリーの画像

ペッサリーとは、子宮口にかぶせて使うゴム状の避妊具です。
指で膣から挿入し、通常ゼリーと一緒に使います。

子宮口をふさいで精子が子宮内に侵入するのを防ぐことで妊娠を防止しますが、装着状態が見えないため正しく装着するのが難しく、避妊率もあまり高くなく、近年はあまり使われなくなった避妊具です。

個人の子宮の大きさや形によって適したもの使い分ける必要があり、薬局などでは入手できません。使用するには産婦人科で診察を受ける必要があります。


関連項目



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